製品紹介

技術資料

ブラシの特長

  • ハンマー効果
    • 無数のブラシ毛材が製品に当たる瞬間に発生する衝撃力(ハンマー効果)によって機械加工後のバリや製品表面に付着した汚れを除去する弾性工具です。
  • ショットピーニング効果
    • 微細な砂を製品に吹き付けて加工硬化処理を行うショットピーニングと同じ作用をブラシ毛材が回転しながら製品に当たることで発揮します。
  • なじみ性に優れる
    • 無数のブラシ毛材はそれぞれ単線になっていますので、製品の凹凸形状によくなじみながら目的の処理を果たします。
  • 製品素材を傷めない
    • ブラシの場合、砥石やベルト研磨布紙の様な研削力はありませんので、製品素材を必要以上に傷めません。
  • 目詰まりが少ない
    • 毛材がフレキシブルな為、砥石やベルト研磨布紙に比べ目詰まりが少なく長時間安定した処理ができます。
  • 長寿命で低価格
    • 価格が安価で長時間の激しい使用に十分耐える構造となっていますのでランニングコストの削減ができます。


研磨材別表面仕上げ精度事例

技術資料
※ ブラシの場合、砥石の様な研削力はありませんので、製品素地の粗さ数値によって 
仕上がり面粗さが大きく変化します。
(日経メカニカル誌より)


適切なブラッシング

  • バリに対して直角に毛材が当たるように設定することが、最も効果的なブラッシング方法です。
  • バリの発生方向を確認した後ブラシ回転方向(アップ/ダウン)を決定します。
  • カップ型ブラシの場合には、1個のブラシで二方向(アップ/ダウン)の処理効果が得られます。



適正ブラシ作業条件

 効果的ブラシ作業を行うため下記8点の条件設定が必要となります。
  1. 毛材
    • 処理条件、処理目的に合わせた毛材の設定が必要です。
      1. 金属系ワイヤー線 → バリ取り、ビート除去、塗装剥離、表面仕上げ
      2. 砥粒入りナイロン毛材 → バリ取り、塗装剥離、表面仕上げ、塗装前の面粗し
      3. ナイロン繊維 → 微細バリ取り、洗浄、クリーニング
      4. 動物、植物繊維 → 洗浄、艶出し
  2. 毛丈・線径(弾力性)
    • 毛丈の長いブラシは弾力性があり、凹凸面に良くなじみます。
    • 毛丈の短いブラシは毛腰が強いため、作業性が高く頑固なバリも容易に除去できます。
    • 線径の太さと毛丈の両面を考慮し選定します。
  3. ブラシ密度
    • 密度が高いと毛腰が強くなり研削力は向上します。
    • 製品の搬送、洗浄等の用途には、密度を粗くし毛腰が柔らかくなるように選定します。
  4. 切り込み量(ブラッシング圧力)
    • 毛材先端で作業することが最も効果的です。毛先が 1mm~2mm切り込む圧力でブラッシング作業を行って下さい。
    • 過大な切り込み量(圧力)で作業すると最適な効果が得られないと共に毛材の摩耗、折損が著しく進みブラシ寿命が短くなります。
  5. ブラシ回転数
    • 取り扱い説明書に記載されている最高回転数内でのブラッシングが最も効果的でブラシ寿命も長く維持できます。
  6. 処理方法
    • 湿式の場合は粉塵の飛散は防止できますが、クーラントが必要となります。
    • 乾式の場合には、後処理が容易な点や機械装置が安価で済むメリットがあります。
  7. ブラシ構造
    1. ディスク式
      • 多数の穴の空いた植毛板に毛材を折り曲げて植毛する方式です。
      • ブラシ密度が任意に設定でき且つ折損・抜毛が少なく長寿命です。重量が重くなるデメリットがあります。
    2. チャンネル式
      • 芯線を中心に毛材を折り曲げてC型金具で固定する方式です。
      • ブラシ密度がディスク方式と比較し粗くなりますが、軽量で安価なメリットがあります。
      • 毛材が抜け始めると抜毛が急激にすすみます。
    3. リング式(UR・ハトメタイプ)
      • 線材をハトメリングと固定リングでロックする方式です。
      • ブラシ密度が任意に設定できます。軽量で安価なメリットがあります。
  8. その他
    • モーター選定の考え方
      • ブラシ外径φ300 x 厚み25mmの場合のモーター容量は0.75kwが基本となります。
      • 但し毛材、毛丈、密度によって負荷トルクが変位しますので実質起動トルクを測定しモーター容量を選定した方が正確な数値が把握できます。

        技術資料 技術資料


ブラッシングのワンポイントアドバイス

      
トラブル内容調整方法及び対策
ブラシ寿命が短い
  1. 毛丈を長くする。
  2. 毛材選定の見直しをする。
  3. ブラシ植毛密度を増す。
  4. ブラシ回転数を下げる。
  5. 切り込み量を少なくする。
  6. ブラシ外径を大きくする。
処理時間がかかりすぎる
  1. 毛丈を短くする。
  2. 毛材線選定の見直しをする。
  3. ブラシ植毛密度を増す。
  4. ブラシ回転数を上げる。
  5. ブラシ外径を大きくする。
仕上がりが不均一になる
  1. 毛丈長さを長くする。
  2. ブラシ植毛密度を増す。
  3. ブラシ摩耗状態を確認する。
  4. 取付軸の振れを確認する。
  5. 取付軸とのガタを確認する。
  6. 送り速度を遅くする。
滑らかな仕上がりにしたい
  1. 毛材線径を細くする。
  2. 砥粒入りナイロン毛材を使用する。
  3. ブラシ植毛密度を増す。
  4. ブラシ回転数を上げる。
  5. 送り速度を遅くする。


A系/C系砥粒の違い

    
砥粒の種類 酸化アルミニウム
(Aluminium Oxide)
炭化硅素
(Silicon Carbide)
性状 化学式 Al2O3 SiC
結晶 無色 三方晶系の結晶 青黒色 三角柱の結晶
比重 3.99 3.25
融点 2,980℃±60℃で分解 2,700℃で分解
融解度 不溶解、但し三、アルカリに難 不溶解
硬度(モース) 9 9.5
形状 技術資料 技術資料


砥粒による用途

  • 酸化アルミナ毛材:
    非鉄金属類や比較的ソフトな仕上げが要求される製品に用いる。

  • 炭化硅素毛材:
    機械加工後の大きなバリの除去に主に用いる。


砥粒による研削量の違い

技術資料 技術資料

<テスト条件> 
テスト方法:  連続往復処理
ブラシA:  PE.1 4SiC #100 φ300 x 100L、毛丈35mm
ブラシB:  PE.1 Al2O3 #100 φ300 x 100L、毛丈35mm

      
対象ワークSUS304 250L x 150W x 3t
ブラシ回転数 980rpm (周速 1,015m/min)
切り込み量 1mm (負荷電流値判定の自動追従式)
ブラシ回転 アップ/ダウンの両回転処理
処理方法 湿式
備考 研削量評価は5時間~10時間連続処理を行った
1時間平均値を表している。

※ ブラシ毛材の場合、C系砥粒の方が研削力が高いと判断できる。


剛性(毛腰)の目安(毛丈/線径)

技術資料
※ このグラフは「近似値」的な目安です。
(同じ材料及び同じ密度が条件です。)

ブラシの「剛性」はブラシ製法、密度によって大きく変化します。
また、剛性は毛材の線径に対して2乗の関数で変化しますので線径のわずかな違いで大きく変化します。
例: 線径φ1.0mmで毛丈50mmのブラシを考えました。
同じ「剛性」(毛腰)が要求されている場合
新しいブラシの線径を1.5mmにしたい場合、
目盛り点から基準線の交点
よって
線径φ1.5mmに変化した場合の毛丈は約65mmになります。

新しいブラシの毛丈、毛材の線径のいずれか一方を仮定する事によって、
残された未知の値を計算する事ができます。

技術資料 技術資料
技術資料


砥粒入り毛材の初期特性データ抜粋

技術資料 技術資料 技術資料
図1 図2 図3
技術資料 技術資料 技術資料
図4 図5 図6
技術資料 技術資料 技術資料
図7 図8 図9

<テスト条件> 
ブラシ回転数:  980rpm
ライン速度:  5m~50m/min
N数:  3回の平均
処理方法:  湿式
回転方向:  アップカット
 
<ブラシNo.> 
<B1>  PE  SiC/ 1.4直 #100  φ330 x 100L  毛丈35mm
<B2>  PE  Al2O3/ 1.4直 #100  φ330 x 100L  毛丈35mm
<B3>  PE  SiC/ 1.4直 #100  φ310 x 100L  毛丈25mm
<B7>  N612  SiC/ 1.4直 #100  φ330 x 100L  毛丈35mm
<B8>  N612  SiC/ 2.0直 #80  φ330 x 100L  毛丈35mm

  • 切り込み量と負荷電流の関係(図1~図3参照)
    • ブラシB7の場合には切り込み量の増加に伴い研削量と負荷電流値は比例の関係にあるが、ブラシB8の場合には反比例する。
    • ブラシの場合には、毛材剛性と切り込み量が大きく作用している。比例関係にあるブラシB7の切り込み量をさらに大きくし毛材剛性以上の圧力が生ずれば(図1)同様の傾向が発生すると判断される。
    • ブラシB1の場合、切り込み2mmが最も研削力が高く切り込み3mmで研削力が低下している。これらは毛材剛性が大きく関係しており、切り込み量(圧力)過多により毛先処理から側面(腹)処理となり研削力が低下する。
    • 線径の太いブラシB8にはその傾向がより明確に表れている。切り込みを増やすことにより毛先に傾き発生する。初期段階では、毛先がフラットである為毛先が傾くと接触面積が少なくなり研削効果が切り込み量を増やしても思った程の効果は上がらない。但し、継続使用して行くことにより毛先カット面がなじみ、接触面積も増え研削力がアップする傾向になる。

  • 切り込み量と面粗さの関係(図4~図6参照)
    • 毛腰がソフトなブラシB1の場合、切り込み量を深くしても面粗さに大きな違いがでない。
    • ブラシB7の場合、切り込み量を深くする程粗くなる傾向がある。
    • 毛腰の硬いブラシB8の場合、切り込み量2mm条件下が最も粗い傾向にある。
    • ※ 毛材の剛性(毛腰)によって切り込み量を設定する必要がある。

  • 毛丈長と研削量・負荷電流の関係(図7参照)
    • 毛丈が短い方が研削力・負荷電流値共に高くなる。

  • ライン速度と研削力の関係(図8参照)
    • ライン速度が遅いほど研削力が高い傾向にある。

  • ライン速度と面粗さの関係(図9参照)
    • ライン速度が遅いほど面粗さが粗い傾向にある。

上記各種参照データーはブラシ初期段階での数値につき継続使用時の数値と異なります。
ブラシ剛性は(毛丈長、密度、回転数、送り速度、環境)によって大きく異なってきますので、お客様と弊社の密接な技術交流によって適切なブラシを選定する事が可能となります。


硬鋼線の研削力の推移概要

技術資料
図10
  • 金属繊維の場合、初期研削力に特に優れ処理御30~50分以降に安定した研削力で推移する特長があります。
  • 金属繊維の場合、切り込み量(加圧)を極力低く設定し処理する事により毛材の折損が減少し寿命が延長されます。
<テスト条件>       
テスト方式:  連続一定加圧処理
ブラシA:  SWO.3  φ200 x 20L  毛丈55mm
ブラシB:  SWO.3  φ200 x 20L  毛丈50mm
ブラシC:  SWO.3  φ200 x 20L  毛丈37.5mm
 
対象ワーク:  SPCC鋼板 250 x 150 x 3t
ブラシ回転数:  1,450rpm (周速910m/min)
負荷重量:  5kg
ブラシ回転:  ダウン(連続処理)
処理方法:  乾式
備考:  研削量は一定加負荷状態で
10分間連続処理を行った時の
総研削量で表示しています。


次のページ→